
瀬川 晶司
角川書店 刊
発売日 2007-03
人柄と勝利は両立するか 2007-05-21
アマ時代は会社に勤めながら、プロに勝ちまくっていた瀬川四段。だがプロになってからはそれほど活躍できていないようだ。それは彼の人柄の良さが原因なのかと本書を読んで感じた。
勝負というのは、当然自分が勝てば相手が負け、絶望と悔しさを押し付けるものである。だから性格のいい人は勝負師には向いていない。また勝ち続ける人も恨みを受け、それが人生のどこかで表に出るだろう。
よって勝負を争わないのが一番だと思わされた一冊である。
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谷川 浩司 /古田 敦也
PHP研究所 刊
発売日 2004-07
待望・古田阪神! 2005-01-17
阪神ファン、谷川ファンの私ですが、古田さんには是非阪神の監督になってほしい、と夢見てしまう読後感。
「普通にやったら勝てそうにもない相手とどうやって戦うか」古田イズムの真骨頂が、野球の素人である谷川17世名人との語りの中でわかりやすく引き出されています。
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ジャック ピノー
河出書房新社 刊
発売日 1999-03
入門書を読んだらこれ! 2001-03-26
まったくの初心者を抜け出した方に向いていると思います。引用されている実戦のゲームもわりと新しい年代のものが出てますし、「チェスの話」を書いたステファン・ツヴァイクのこともこの本で知りました。 将棋のプロの羽生さん、森内さんのことなども書いてあり盛りだくさんの内容に満足しました。
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深浦 康市
浅川書房 刊
発売日 2003-09
最新の定跡最前線 2003-09-17
深浦朝日オープン選手権者の最新の定跡最前線である。4年前の前著の「これが最前線だ!―最新定跡完全ガイド」の続編。藤井システム、横歩取り85飛車戦法が中心で、プロ実戦例や局面の考え方が詳しく記述されている。近来の名著「島ノート」に勝るとも劣らない出来である。評者も興奮しながら、静かに現在熟読中である。常識となる定跡を知っている前提での最新変化集であるから、アマ三、四段クラス以上の上級向け。
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戦いはこれからだ―人間的魅力の研究
藤沢 秀行 /米長 邦雄
祥伝社 刊
発売日 1999-10
藤沢秀行と米長邦雄を知るだけでも読む価値があります。 2005-12-11
米長邦雄氏は50歳で史上最高齢名人に就いた類稀な棋士ですが、対談相手の棋聖位・藤沢秀行氏も只者ではありません。囲碁界の最高タイトルである棋聖位の6連覇のみならず、2度のガンからの復帰を果たし、王座(日経新聞社主催タイトル戦)を獲得するという人間離れされた方です。『人間における運の研究』(致知出版社)や『運を育てる』(祥伝社黄金文庫)を通じて、これまでも米長氏から学ぶことは大でしたが、今回の対談者の藤沢秀行氏を知り、世の中の広さを改めて痛感しました。これほど一つの世界で名を成し、かつスケールが大きく、温かい人柄の人物は稀です。藤沢秀行、あるいは米長邦雄という人の存在を知るだけでも本書を読む価値はあります。
秀行氏の言葉には胸を突かれます。
例えば、何か一芸に秀でるには、それをするのが好きなことは重要ですが、何より忍耐が必要です。それを、「努力が報いられるまでの三年なり、五年なりの間を辛抱しなくてはならない。それができる人とできない人とでは、何年か先にえらい差が出る(p.93)」と明言しています。日々、努力を継続するためには、「私はこうなる」という志が不可欠であり、志を立てるためにも試行錯誤に耐えなくてはなりません。ですから、就職活動中の学生や志がまだ立っていない若者に本書を読んでもらって、この言葉の意味を知ってもらいたいと思います。
「定石とは碁における「挨拶の仕方」だと納得したわけです(中略)こう納得すると定石を勉強する面白さがまるで変わってくる(p.85-86)」。例えば、私の場合、研究の分野で統計学が果たす意味が分かってからその勉強に随分とのめり込みました。定石を知らなければ、その世界に住む先達と同じ土俵に乗ることすらかないません。同じことがどの分野でもあると思います。
若者に勧めましたが、中堅層の人々にこそ本書の真価を更に汲むことができます。お勧めです。
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藤沢 秀行 /米長 邦雄
祥伝社 刊
発売日 1999-10
藤沢秀行と米長邦雄を知るだけでも読む価値があります。 2005-12-11
米長邦雄氏は50歳で史上最高齢名人に就いた類稀な棋士ですが、対談相手の棋聖位・藤沢秀行氏も只者ではありません。囲碁界の最高タイトルである棋聖位の6連覇のみならず、2度のガンからの復帰を果たし、王座(日経新聞社主催タイトル戦)を獲得するという人間離れされた方です。『人間における運の研究』(致知出版社)や『運を育てる』(祥伝社黄金文庫)を通じて、これまでも米長氏から学ぶことは大でしたが、今回の対談者の藤沢秀行氏を知り、世の中の広さを改めて痛感しました。これほど一つの世界で名を成し、かつスケールが大きく、温かい人柄の人物は稀です。藤沢秀行、あるいは米長邦雄という人の存在を知るだけでも本書を読む価値はあります。
秀行氏の言葉には胸を突かれます。
例えば、何か一芸に秀でるには、それをするのが好きなことは重要ですが、何より忍耐が必要です。それを、「努力が報いられるまでの三年なり、五年なりの間を辛抱しなくてはならない。それができる人とできない人とでは、何年か先にえらい差が出る(p.93)」と明言しています。日々、努力を継続するためには、「私はこうなる」という志が不可欠であり、志を立てるためにも試行錯誤に耐えなくてはなりません。ですから、就職活動中の学生や志がまだ立っていない若者に本書を読んでもらって、この言葉の意味を知ってもらいたいと思います。
「定石とは碁における「挨拶の仕方」だと納得したわけです(中略)こう納得すると定石を勉強する面白さがまるで変わってくる(p.85-86)」。例えば、私の場合、研究の分野で統計学が果たす意味が分かってからその勉強に随分とのめり込みました。定石を知らなければ、その世界に住む先達と同じ土俵に乗ることすらかないません。同じことがどの分野でもあると思います。
若者に勧めましたが、中堅層の人々にこそ本書の真価を更に汲むことができます。お勧めです。
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升田 幸三
中央公論新社 刊
発売日 2002-09
含蓄溢れる言葉の数々 2005-12-19
羽生善治は著書『決断力』(角川oneテーマ21)で、過去の棋士のなかで是非対局したいのは”升田幸三”であるとコメントしている。
何でも囲碁は指したことがあるそうだが将棋を指すことはとうとう無かったらしい。
升田幸三著『勝負』(中公文庫)は、自分の生い立ちや、将棋にまつわる話などをエッセイ風に書きつづった書である。若いときから将棋の世界に飛び込んで、将棋一筋に打ち込んできた人の人生訓には、重みがあるし、元来個性的な人だっただけに、独特の”含蓄”を感じる。
いまなお読んでも、けっして色褪せないし示唆に溢れている。
なんど読み返してみても、升田の語る言葉は自分のハートにいまなお響いてくるのだ。
魅力的な多くの言葉のなかから、いくつか引用してみたい。
「人生というのは、一手違いだと考えているんです。(中略) その一手の差を慎重に、そして最善をつくす人が”勝ち”にゆくわけで、一手ぐらいなどといって、気楽にしとるやつが、結局は敗北につながる。」
「文章でいえば、なるほど書いている人は血へどが出るほど苦しんで書いている。が、出来あがったものに、その苦しみだけしか出ていない作品は、もうひとつってものじゃありませんか。いのちがけで書いたが、そのいのちがけのなかに遊べるという境地に達したとき、読む人にもまた楽しさが伝わる、そういうのがホンモノだろうと思います。」
「人間は、その所作にその人の雰囲気というものが出てくるものです。そしてこれに、力のあるなしが出てくる。(中略) これは、天がそのひとにあたえたものじゃなくて、修練によるものだと思う。(中略) 人間はだいたいは修練じゃないですか。」
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羽生善治の終盤術(1) 攻めをつなぐ本
羽生 善治
浅川書房 刊
発売日 2005-12-22
中級者向けですね。 2007-05-01
羽生さんの実戦譜の中盤から終盤に向けての思考過程を丁重に解説しています。変化も相当詳しく書かれていますが、私程度の棋力(ネット24で1600点台)ではその変化以外に多くの疑問が残ります。当然ながら問題の正解率は5%未満と散々な結果で自分の弱さを再認識させられました。派手な手筋ではなく、狙いに向けた一手々々の積み重ねの重要性が解ります。これから強く成りたい方や、中盤からの手創りに自信の無い方は必見の書だと思います。
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羽生 善治
浅川書房 刊
発売日 2005-12-22
中級者向けですね。 2007-05-01
羽生さんの実戦譜の中盤から終盤に向けての思考過程を丁重に解説しています。変化も相当詳しく書かれていますが、私程度の棋力(ネット24で1600点台)ではその変化以外に多くの疑問が残ります。当然ながら問題の正解率は5%未満と散々な結果で自分の弱さを再認識させられました。派手な手筋ではなく、狙いに向けた一手々々の積み重ねの重要性が解ります。これから強く成りたい方や、中盤からの手創りに自信の無い方は必見の書だと思います。
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毎日コミュニケーションズ 刊
発売日 2006-02
「パラダイス」を恐れずに 2007-03-15
「○○パラダイス」と聞くと、難しいとか詰将棋マニア向けで棋力上昇にはどうかな?というイメージがあると思います。
しかし本書はタイトル通り配置が実戦形で、かつ手順や筋もそれほど変わったものではありません。
合駒や変わった開き王手に頭をひねらされる問題はほとんどないです。
それでいて歯応えのある難易度で、非常に読みや感覚が鍛えられると感じます。
入り方や変化の多さ、盲点になりやすい筋などが上手く問題になっているのでしょう。
注意点ですが3〜7手詰が40問とありますが7手詰だけで30問近くあるので、
全体として実質7〜11手詰がほとんどですから、それらが解けて楽しめる力がないと厳しいでしょう。
このレベルの詰将棋本はあまりないですので貴重かと思います。
毎日コミュニケーションズの本は絶版が早いですし、少しでも興味をもたれた方は「買い」でしょう。
〈1〉が既に絶版なのが残念ですね、定跡書と違っていつまでも手にとってもらえる内容だと思うのですが。
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将棋の腕前を上げるには、実戦が一番。しかし一流の棋書があれば短期間に上達できる。おすすめの将棋本はこれだ!