
升田 幸三
中央公論新社 刊
発売日 2002-09
含蓄溢れる言葉の数々 2005-12-19
羽生善治は著書『決断力』(角川oneテーマ21)で、過去の棋士のなかで是非対局したいのは”升田幸三”であるとコメントしている。
何でも囲碁は指したことがあるそうだが将棋を指すことはとうとう無かったらしい。
升田幸三著『勝負』(中公文庫)は、自分の生い立ちや、将棋にまつわる話などをエッセイ風に書きつづった書である。若いときから将棋の世界に飛び込んで、将棋一筋に打ち込んできた人の人生訓には、重みがあるし、元来個性的な人だっただけに、独特の”含蓄”を感じる。
いまなお読んでも、けっして色褪せないし示唆に溢れている。
なんど読み返してみても、升田の語る言葉は自分のハートにいまなお響いてくるのだ。
魅力的な多くの言葉のなかから、いくつか引用してみたい。
「人生というのは、一手違いだと考えているんです。(中略) その一手の差を慎重に、そして最善をつくす人が”勝ち”にゆくわけで、一手ぐらいなどといって、気楽にしとるやつが、結局は敗北につながる。」
「文章でいえば、なるほど書いている人は血へどが出るほど苦しんで書いている。が、出来あがったものに、その苦しみだけしか出ていない作品は、もうひとつってものじゃありませんか。いのちがけで書いたが、そのいのちがけのなかに遊べるという境地に達したとき、読む人にもまた楽しさが伝わる、そういうのがホンモノだろうと思います。」
「人間は、その所作にその人の雰囲気というものが出てくるものです。そしてこれに、力のあるなしが出てくる。(中略) これは、天がそのひとにあたえたものじゃなくて、修練によるものだと思う。(中略) 人間はだいたいは修練じゃないですか。」
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