
団 鬼六
幻冬舎 刊
発売日 1997-04
小池重明の生き様そのものが「小説」のようですし、破天荒ですね 2005-09-12
将棋が好きで、四半世紀ほど前、相当凝ったことがあります。その頃「小池重明」というアマチュア将棋界において、伝説となっている強さを誇った「真剣師」がいました。
この本はその小池重明の波乱万丈の生涯を綴った小説です。書き手があの特異な官能小説、SM作家として第一人者の団鬼六です。二人の不思議な繋がりは本書で確認していただくとして、異能は異能を認める、というわけですかね。
小池重明の生き方って本当に笑ってしまうほど、ムチャクチャです。「飲む、打つ、買う」の放蕩の限りを尽くし、44才で孤独の内に亡くなりました。型破れですし、破滅型の典型とも言えます。ところが、将棋となるとその天賦の才を発揮し、強豪のプロもアマも打ち破っていきます。
小池重明は、最後の「真剣師」とも言われています。「賭け将棋師」のことで、プロ棋士とは違うのですが、全国に名だたる真剣師たちを次々と打ち負かし、そして日本将棋連盟所属のプロ棋士相手にも勝ち越しました。不世出の「賭け将棋師」です。
プロと対戦するため、連続二期アマ名人となり、特例でプロいりの話も出ましたが、品行が悪く、寸借詐欺事件を起こしたため、アマ・プロ全ての将棋の世界から追放されました。
本当に天賦の才と破滅の運命に翻弄されたかのようにして、44歳で伝説の「真剣師」が人生の幕を閉じました。
本書はそんな小池重明を団鬼六が温かく魅力的に描いています。不可思議な魅力を持ったいき様でした。
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